遺志

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2度の台風によって中止を余儀なくされた第一回環金武湾帆掛けサバニレース。そして今年こそはと意気込んで準備を進めて来た、第二回大会を週末に控えたウークイの夜の事。久しぶりの那覇の街を通りの道ジュネーの溢れんばかりの熱気が包み込んだ頃に、その訃報は届いた。

チーム綾風を結成するにあたって、私たちが譲り受けて来た古いサバニの修復を買って出てくれた順風の皆さんの中心的な存在だった方が、煩った肺を直すために闘病生活をされている事はかねてから聞き及んでいたが、まさかの突然の他界に暫し言葉を失ってしまった。思えば今年初めて試みとして行った「帆掛けサバニ馬鹿春合宿」に遠路駆けつけて下さった時に交わした言葉が、私にとって彼との最後のものとなってしまった。

人の生命が永遠ではない事はこの年齢なりに理解してるつもりではいても、62歳という若さでの逝去に対する残念無念な想いは決して拭い去る事は出来ない。

そして、レースには当然の事として順風も新風も参加は出来ないだろう、と不謹慎ながらもそんな考えが頭に浮かんだのも事実。去年の様に順調に参加艇が集まらなかったレースが更に寂しくなる事を覚悟しながら、また私自身もレースに対するモチベーションを半ば失いながら訪問した通夜の席。何と、殆どのメンバーが故人の家族である順風の皆さんの総意として、また故人もきっとそう言う筈だと、彼が監督を務めていた新風はもちろんの事、そして葬儀が重なった為に乗員が参加出来ない順風さえも、出来ればレースに出して欲しいという。

故人はサバニ帆漕レースが始まった2000年には、港湾施設を管理する行政側の立場で帆掛けサバニのイベントを支えた方でもあり、前述の様にチーム綾風の恩人でもある。そして既に漢那ビーチに運び込まれている順風の船名も直筆によるものだそうだ。

中には不思議に思われた方もいらっしゃったかもしれないが、私が、その日初めて乗船する順風によって新風との混成チームでレースに参加させて頂いたのも、そして故人を含めた5人で帆漕したのも、実はこのような理由によるものだ。
帆掛けサバニをこよなく愛した英喜さん、初の環金武湾レースで順風は4位でした。そして、これまで本当に有難うございました。貴方なしでは今のチーム綾風は無かった事でしょう。どうぞ安らかにお休み下さい。


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このブログは、沖縄の伝統帆漕漁船「帆掛けサバニ」の機能美や性能に魅せられた私たちの日常の取り組みを、記録として残している物です。
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このページは、津輕良介が2013年8月27日 13:39に書いたブログ記事です。

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